寺尾勝広（1960, 日本）
大阪生まれ。高校卒業後、父親が経営していた鉄工所で溶接工として働く。両親と暮らし、仲間と共に働いた20年間、寺尾の生活は充実し幸せだった。工場の廃業後、両親が亡くなると、2003年から知的障害者のための施設アトリエインカーブに通い、絵を描き始める。その主題は一貫して鉄骨だ。素描、絵画、彫刻と、材料や手法が変わっても、ひたすら鉄の構造物を描き耽る。溶接工時代の幸福を手繰り寄せようとするかのように。